投稿日:2024年11月12日
I女性会議第43回定期全国大会 宣言
大 会 宣 言
日米安保に反対し、平和憲法に基づくジェンダー平等社会をめざす私たちの運動は今年で64年目となります。戦争に反対し、脱原発や反差別を掲げ、女性の人権やSRHR(性と生殖に関する健康と権利)を守り、あるいは差別的雇用を許さない労働運動でもありました。石けん運動に始まる水や食の安全を求める運動も続けてきました。すべてに通じるのは、いのちやくらしを脅かす巨大な権力に抗して闘ってきたという点です。
しかし、安保関連法制が強行されて以降、この国の軍事化は進んでいます。安保三文書を閣議決定し軍事費を倍増、重要土地規制法、経済安保法、防衛産業支援法、地方自治法改悪などを強行し、殺傷能力のある武器輸出にまで踏み込み、軍事中心の財政、政治、経済、情報、文化に換えられつつあります。憲法に謳われた平和と民主主義、女性の人権さえ奪われる危険な状況です。沖縄・南西諸島をはじめ、全国の米軍・自衛隊基地が強化され、ミサイル基地や弾薬庫の配備、港や空港の軍事利用が進められ、各地で反対運動が始まっています。一方、かつての様に多くの市民が平和憲法を肯定し、戦争に反対していた時代とは世論も変わりました。ウクライナ戦争の衝撃を利用した「外国に攻められたら大変」「台湾有事があるかも」という政府の世論操作により「軍拡反対」が必ずしも受け入れられる状況ではないからです。私たちは、国が戦争へと向かう流れにあらがい「戦争反対」と言い続ける覚悟をもって、運動を作らなければなりません。
力が支配する国では女性の尊厳が奪われ、差別や格差と貧困が拡大します。救済するはずの政策も軍事財政下では予算が削減され、医療・介護・保育といったケア労働は低賃金あるいは家庭内での女性の無償労働で補うことになります。私たちが国や自治体に、ケア労働者の賃金を上げ、差別賃金を改善し、市民の命とくらしのための予算を確保しろと要求していくことこそ戦争への道を止めることになります。
I女性会議が主体的に動くことにより、市民運動や労組、地域、自治体議員、政党のつながりが生まれることが大会でも報告されました。その連帯こそが平和と民主主義を守る砦を各地に作る力となります。I女性会議の運動を次の世代につなぎ、戦争への流れを止め、平和なジェンダー平等社会をめざして私たちは次の一歩を踏み出します。
以上、宣言します。
2024年10月27日
I女性会議 第43回定期全国大会